日本のトッププレイヤー村松治樹のプレイは、不思議と人を感動させる。
これまで、何度か彼が優勝する瞬間に居合わせたことがあるが、ここ一番大切な大会での勝利が印象的だ。
「派手な舞台で勝っているので、みなさん、その印象が強いんじゃないかな」
と村松が言うように、PDCの日本予選大会(PDJ)をはじめとする注目度の高いトーナメントで、村松は何度も勝利しているが、いずれも会場がとても盛り上がったことを記憶している。
村松の身長は約167㎝。
どちらかと言えば、小柄なその身体で、自分より大きなライバルと戦い続ける村松はまるで、旧約聖書に登場する巨人兵士ゴリアテに立ち向かう、羊飼いの少年ダビデのようだ。
かつて村松はインタビューでこう言ったことがある。
「僕が小さいから、みんな応援してくれるんじゃないですかね(笑)」
そして6月にフランスで行われたTHE WORLD 2014 STAGE 2の優勝。
村松は接戦の末、強敵ショーン・ナレイン(カナダ)を破り、会場を大いに沸かせた。その日、ナレインは村松に対して挑発的なジェスチャーで村松にプレッシャーをかけた結果、オーディエンスは、完全に村松の味方になっていた。そういう試合背景があるにしろ、ソフトダーツのトーナメントで、かつてあれほど会場を沸かせた決勝戦は、そうはないはずだ。
「しばらくTHE WORLDは優勝どころか決勝にも行けてなかったので、久しぶりの決勝(2012年STAGE 4以来)だったんで結構緊張したんですけど、優勝できて本当に良かったです」
と村松はSTAGE 2の優勝を振り返る。
ナレインの挑発的なパフォーマンスについては、
「ああいうプレイスタイルも全然ありだと思いますよ。会場のみんなは盛り上がってくれて、すごい楽しんでくれたんじゃないかな。僕自身も楽しく決勝でプレイできたと思います」
と勝者の余裕を取材陣に見せた。
次回STAGE 3上海へのモチベーションは高い。
「もちろん、参加します。今回優勝もしてますし、参加しないわけにもいかないですしね。ディフェンディング・チャンピオンとして、胸はって上海にいきたいと思います」
THE WORLD STAGE 3 CHINAのWeb生中継は8/17(日)。
DARTSLIVE.TVにて。
http://dartslive.tv/