その日のTHE WORLDは異例の盛り上がりを見せた。
その日とは9/20(日)。マレーシアで開催されたSTAGE 5のことである。
ここ数年マレーシアのダーツ熱が高まっている中、THE WORLDが初開催。オーディエンスは、世界最高峰のプレイヤーたちのダーツに酔いしれた。
そんな中、決勝に進出したのは、開催国プレイヤーであるノリセイム・アタン。マレーシアのDARTSLIVEレーティング・ランキング・トップの実力者である。(2015年 10月時点)
そしてもう一人のファイナリストは、日本の井上晋太郎。前ステージの勝見翔に続いて2大会連続で日本人の決勝進出となった。
試合直前のインタビューで二人のファイナリストは言う。
「こんな素晴らしい舞台でプレイできることに感謝しています。マレーシアでは初開催。やっぱり勝ちたいですね(アタン)」
「一週間前からマレーシアに入ってるせいか、地元の人の応援もあるのがうれしいですね。もちろん日本人の応援も。いっぱい力をもらっているので、全力を尽くして頑張ります(井上)」
決勝の序盤はアタンが優勢。ポーカーフェイスなアタンは精度の高いダーツで2レグを先取し、優勝まであと1レグに迫る。この時点で、会場は母国のプレイヤーの勝利を半ば予感していただろう。
しかしここから井上の反撃が始まる。表情を出さない冷静なアタンに対し、一投一投楽しそうに投げる井上は粘り強いダーツを続け、2-2のタイまで持ち込む。
最終レグ。会場の盛り上がりは最高潮に。コークは3回に及ぶ接戦となり、二人の投げたコークは全6投中3回がインナーブルに命中するという精度の高さを見せた。この激しいコーク勝負を制したのはアタン。クリケットで先の利を取りたいアタンは序盤をリードするが、ラウンド4で井上が逆転しシーソーゲームが続く。最終的には、最後まで粘り強いプレイを続けた井上に軍配が上がり、初のマレーシア大会の幕を閉じた。
「ノリセイムはすごいプレイヤーな上に、ここは彼のホーム。もう自分のプレイをするだけでしたね。今まで勝って涙したことはなかったんですが、応援してくれた人のことを思ったら、思わず涙してしまいした。この優勝は、これからの自信につながると思います。THE WORLDのランキングも最後まで喰らいついて、上位に食い込めるように頑張りたいと思います」と試合後の井上は語った。
No. | 名前 | 累計ポイント |
1 | レオナルド・ゲイツ | 126pt |
2 | ローレンス・イラガン | 124pt |
2 | エイドリアン・グレイ | 124pt |
4 | ポール・リム | 120pt |
4 | パク・ヒョンチョル | 120pt |
9 | 井上晋太郎 | 101pt |
その年間ランキング争いも混戦模様だ。1位のレオナルド・ゲイツが126ポイント。そして同率4位のポール・リムとパク・ヒョンチョルが120ポイント。6ポイントの中で上位5名のプレイヤーたちが熾烈な争いを演じている。また今回9位まで浮上した井上晋太郎が現在101ポイント。残り2ステージを連続優勝すれば、奇跡の大逆転勝利もありえる。
今シーズンは残すところ中国と台北の2ステージ。
次回STAGE 6のWEB生中継は10/18(日)。
http://darts-theworld.com/jp/live/