全5STAGEに渡って、熾烈な年間ランキング1位争いが繰り広げられるTHE WORLD 2016。その折り返し地点となるSTAGE 3が、8/14(日)に台北で開催された。後半戦に向けて、誰もが弾みとなる結果を残したい重要な一戦。この戦いを制したのは、"レジェンド"の異名で知られるソフトダーツ界のカリスマ、ポール・リムであった。
THE WORLD初年度のチャンピオンであるリムと、2014年と2015年の年間ランキングチャンピオンであるボリス・カリチュマーという、新旧王者対決となった準決勝。カリチュマーがレグ1を14ダーツフィニッシュでブレイクすると、続くレグ2は、7.75MPRという高スタッツでリムがブレイク。世界の頂点を取った男たちが見せるハイレベルなプレイの応酬は、観客を否応がなしに熱くさせた。
その後、お互いに先攻レグを取り合って迎えた最終レグは、後攻のカリチュマーが701をチョイス。ゲームは序盤からリムが有利に手を進めていたが、終盤に残り146点を上がり切ることができず、残り157点のカリチュマーにチャンスが訪れる。カリチュマーは一呼吸置いた後、冷静にBULLに2本を入れ、19トリプルにトライ。しかし、これが無情にも7のシングルに外れ、唯一のチャンスを逃してしまう。最後は残り40点をリムが冷静にフィニッシュして勝利。新旧王者対決を制し、決勝の舞台へと駒を進めた。
決勝戦の相手は、準決勝でSTAGE 2の覇者であるアレックス・レイズを降し、念願のTHE WORLD初優勝に闘志を燃やす星野光正。星野の先攻で幕を開けた一戦は、レグ1を星野、レグ2をリムが奪う穏やかな展開に。試合が動いたのは、続くレグ3。ラウンド2の9マークでゲームの主導権を掴んだリムが、相手に逆転のチャンスを与えない堅実なプレイでリードを守ってブレイクし、いち早く優勝に王手をかけた。
先攻という有利な状況で挑んだレグ4。ともに同ペースで点を減らしていき、ラウンド5を迎えた時点でリムは残り135点、星野は残り148点という状況に。ここで上がり切らないと相手に大きなチャンスを与える大事な場面であったが、リムはプレッシャーに臆することなくBULL、19トリプル、14ダブルと決めてフィニッシュ。その瞬間、力強いガッツポーズと満面の笑みで優勝の喜びを露わにした。
2011年のTHE WORLD GRAND FINALでの優勝や、世界の強豪が顔を揃えたSUPER DARTS 2015での優勝など、数々のビッグトーナメントを制してきたリムだが、STAGE優勝を成したのは、2012年のSTAGE 1以来、約4年ぶり。その間も優勝こそは逃していたものの、つねに年間ランキング1位争いに名を連ねていたのは、安定した強さの裏付けともいえよう。価値ある一勝を手にした今シーズン、リムが年間チャンピオンの座を奪還できるか否か、今後の活躍に世界中の注目が集まっている。
順位 | 名前 |
---|---|
1 | ボリス・カリチュマー |
2 | アレックス・レイズ |
3 | レオナルド・ゲイツ |
4 | ポール・リム |
5 | パク・ヒョンチョル |
ポイントランキングでは依然、カリチュマーが首位をキープしているものの、同じくBEST4のレイズが2位、そして優勝したリムが4位と順位を上げ、その座を虎視眈々と狙う。今回は結果が振るわなかったが、3位のレオナルド・ゲイツも首位を脅かす怖い存在だ。
さらに、日本人選手の活躍も見逃せないところで、このSTAGE 3では4名がBEST8へ進出。星野以外は惜しくも敗れてしまったものの、ポイントランキングの順位を大きく上げると同時に、日本の選手層の厚さを知らしめる結果となった。GRAND FINALの前日となる12/3(土)に開催が決まったSOFT DARTS WORLD CUP 2016は、各国から選出された代表チームが威信をかけて激突する大会。選手層が厚い日本は、優勝候補の筆頭になることは間違いなさそうだ。そして、この強豪を相手に、各国がいかなるチームプレイで挑むのか、今から実に楽しみである。
また、8/27(土)に行われるTHE WORLD 2016 PREMIUM STAGEもダーツファン必見の大会だ。このPREMIUM STAGEは、ポイントランキングに影響はないものの、優勝者にはGRAND FINALへの出場権が贈呈される大一番。年間ランキングでTOP 8にランクインせずともGRAND FINALへの出場が決定するだけに、世界の強豪たちがこぞって参戦する。果たして、いち早くGRAND FINAL出場を決める選手は誰か。8/27(土)のLIVE中継は絶対に見逃せない。